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DOGOO HAIR by Masayuki Shioda
not for sale
『DOGOO HAIR』(2004)アルバム作品について
写真というのはどうしても被写体に視点が行く。
“写っている被写体のその後ろ、その先にある感覚に意思をスライドさせるにはどうすれば良いか?”という感覚が常にある。一点で見せるより組み写真や本にすることで連続性が生じて関係性が複雑になり、被写体からその先の“写真”というプロセスの特徴の一つでもある“時間の蓄積”へ視点をズラしてくれるのではないか?と考えた。
2000年の『NPEAKER』の展示の以降、2004年までの作品を一冊の分厚いアルバムに纏める。2006年の展示ではこの一冊の分厚いアルバムを一つの作品とし、壁面には大型モノクロコピーを展示した。意図して壁面にプリント(印画紙) ではなくモノクロコピーを展示したのも何をもって“写真”と言うのか?という自らへの問いであった。
塩田正幸
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MASAYUKI SHIODA new book “Retinagazer”
塩田正幸、作品集『Retinagazer』発売のお知らせ
写真家、塩田正幸の24年以上に及ぶキャリアで撮影された写真を集約した作品集『Retinagazer』を発売します。
本書は2020年秋にタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて開催された同タイトルの展覧会の内容を拡大したものとなります。
反射神経という身体能力を最大限に追求して、意識と無意識の界を超えたスナップ写真を表現した『NPEAKER』や『DOGOO HAIR』といった初期作品から、“写っていなくても良い”という言葉に向き合いながら内向的な写真実験を試行錯誤していき、上手くならない為に、毎日をゼロから始めるという思いを込めたタイトルの『ケの日ヒョウハク』シリーズ三部作。そして物事の見え方や時間のスピードの相対性や関係性を思考した『時間』、“網膜を凝視する者”という写真の存在意義を問いただすような塩田正幸の根底にある概念にたどり着いた本書タイトルでもある『Retinagazer』などの現在作まで。
ジャンルやカテゴリーに捉われず、写真の本質に向き合い続けてきた塩田正幸の実験的な活動の記録が綴じられた、まさに“集大成”と言える作品集『Retinagazer』をぜひお楽しみください。
*新型コロナウィルス感染拡大の影響により、同展覧会にてアナウンスしました発売時期から遅れが出てしまったことをお詫び申し上げます。改めまして、本書は2021年初夏の発売を予定しております。
*本書に収録予定の写真を使用して塩田本人が作成したzineを少部数限定で、2月28日より代田橋にあるflotsam booksにて配布を行います。
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発売:2021年初夏予定
判型:B4変形